あっちを閉じたので、こちらでぼそぼそ。


実家から電話。
地元の一個上の先輩が、地元の役所に再就職して、帰るんだって。



だから?



「良い選択かもしれんね?」だって。



だから?




そんなこと言われたって、私は、田舎へは帰らない。
母のことも、父のことも、嫌いじゃない。田舎は好きだ。
でももうその場所で暮らすことを考えるだけで、目を背けたくなる。私とその場所の溝はもう埋まらないんだ。
あの時に、音を立てて崩れたあの美しい景色は、もう私の心の中に戻ってこない。それは数年前の私の手帳が示してる。一年中真っ黒でぐちゃぐちゃになったあの手帳が。




誰もきっと悪くないってわかったつもりでいる事はできる。
でも、そっち側の普通と、私の普通はかけ離れてしまってる、これってどうしようもないじゃない。
そっち側の普通を押し付けられたら一目散に逃げるってことは、そろそろわかって欲しい。でも、そんな私で申し訳ないって思う気持ちもあるんだけどね・・・これがもうまたややこしいんだ。
なんか、そういうのが、牽制になって現れてて、妙な沈黙になって、余計に溝を掘ってる気がするんだけど・・・


私は、一応、まだ希望は持ってるんだ。
いつかどっかに、私がポロっと何でも話したくなる、聞いてくれる人がきっと居るって。
心の鉄壁みたいな壁を押し開けたい時が来るって思いたいの。
それが田舎でなら、田舎にも帰ろう。でもそうじゃないと思うの、だから私はまだここで縋っていてたいの。


だから、まだ許してて欲しいの。