被爆のマリア/田口ランディ

被爆のマリア (文春文庫)

被爆のマリア (文春文庫)

戦争ものって、異常に怖い。そういうフレーズにも弱い。
小学生の頃に、家を飛び出して逃げたこともあった。
自分の想像力では絶対に足りる事のない、圧倒的な力っていうのは、怖い。
この作品は、フィクションで、直接的な話でもないけど、それでも怖い。ちょっと気持ち悪くなるんです、考えすぎると。わからないことがもっと怖くて。
それでも、全然知らないとか、見えないとか聞こえないじゃいけないような気がして、独りでちょっとずつ触れられそうなものにはちょっとずつ触れてきたつもり。
これを読んで、やっぱり思ったんだ。もう少し私の頭が考えられるものになれば、行きたい町が3つある。独りでその場所たちに行ってみたいって、そう思えた。
それだけでも読んで良かったって思える。